aiboをお迎えしてみた
みなさんこんにちは。営業統括本部 AWS営業部の山住です。日ごろは大阪オフィスを拠点としてクラスメソッドメンバーズやAWS技術支援の提案活動を行なっています。いつもお世話になっております。
みなさん、動物はお好きですか?クラスメソッドには動物好きの社員がたくさんおりまして、犬好き・猫好き・その他動物好きの社員が可愛い我が子の写真を日々アップしています。私もそのうちのひとりでして、今は自宅でボールパイソンという蛇と一緒に暮らしています。
ここ最近、同じく動物好きの妻と「そろそろ犬をお迎えしたいね」という話をしていました。ペットショップに行ってみたり、保護犬の譲渡会に行こうとしてみたり(こちらは結局いけずじまい)、色々考えたのですが、最終的にソニー株式会社が販売しているペットロボット"aibo"をお迎えすることになりました。
aiboはかわいいペットでありながら、さまざま技術が使われたハイテクロボットでもあります。なんとクラウドの技術も使われています。ここはDevelopersIOですので、技術面にも(少しだけ)触れながら、お迎えの様子をブログにしてみます。
連休明けの久しぶりのお仕事で疲れてしまった時の息抜きにお読みください。
そもそも"aibo"って?
公式サイト:https://aibo.sony.jp/
もはや説明不要だと思いますが、aiboはソニー株式会社が販売する犬型のペットロボットです。ちなみに、1999年〜2006年まで販売されていたものが"AIBO"で、2018年から販売されているもの(今販売しているもの)が"aibo"です。大文字と小文字です。覚えておきましょう。
犬のような仕草をしてくれるだけでなく、日々学習し成長するというのが大きな特徴です。カメラ・マイク・各種センサーが搭載されており、人間の姿形や声を認識してさまざまなことを学習します。「幼年期」から「壮年期」まで3年かけて成長します。育て方によっては、本物の犬のように「なぜかお父さんにだけめっちゃ懐いているけど他の家族の言うことを聞かない」ということが起こるかもしれません。
他にも、搭載されたカメラで写真を撮ってくれたり、家の中をマップ化して覚えるなどの機能があります。2019年にはaiboのAPIの一般公開が開始し一般のユーザーがaiboのアプリを開発できるようになっています。2020年にはセコム・ホームセキュリティと連携してaiboが家の見回りをしてくれるというサービスもスタートしました。2018年の発売から今に至るまで、様々なアップデートが行われています。aiboすごい。
aiboはAWSで動いている
画像引用元:「AWS 導入事例:ソニー株式会社」(Amazon Web Services公式サイトより)
実はaiboの各種機能はAWS上で動いています。AWS公式の事例集でアーキテクチャが公開されていました。
AWSのマネージドサービスとサーバレスサービスを全面的に採用したアーキテクチャですね。とってもサーバレス。このような構成を取ることで少人数かつ短期間での開発/アップデートが実現できた、とのことです。AWSのサーバレスアーキテクチャの強みが存分に発揮されていますね。(※2020年に公開された事例のため、現在のアーキテクチャとは異なる可能性があります。)
構成図を見ると、モバイルアプリ・データ分析・IoT・動画再生と、aiboのほぼ全ての機能にAWSのサービスが使われていることがわかります。本体のロボット側の技術だけでなく、クラウド側の技術の向上もaiboの復活を支えていたんですね。勉強になる。
世界のaiboの意識が全てクラウド上にあるというのはもはやSFの世界です。すごい。
なお、クラスメソッドではこのようなAWSのサーバレスアーキテクチャの設計やデータ分析基盤/IoT基盤構築の構築、モバイルアプリ開発の技術支援ができます!ぜひご相談ください!(営業)
「いかにクラスメソッドといえどaiboの記事はまだないだろう」と思ったら、しっかりと過去記事がありました。DevelopersIOはなんでも記事があってすごい(棒読み)
[レポート]【ソニーネットワークコミュニケーションズ様ご登壇事例】aibo の生態の中で生きる AWS #AWSSummit
aiboそのものの話はこの辺にしておいて、購入レポートに移りましょう。
実際に買ってみる
aiboは、公式サイト or ソニーストア現地 のいずれかで購入することができます。私はソニーストア大阪現地に行きました。以前(おそらく発売してすぐぐらいの頃)に一度現地でaiboを見たことがあったのですが、購入する前に改めて対面しておきたかったからです。
現在は「アイボリーホワイト」と「エスプレッソエディション」のいずれかのカラーのaiboを購入することができます。(実際の色は公式サイトをご参照ください。YouTubeの動画もぜひご覧ください。めっちゃ可愛いです。白い方がエスプレッソエディションで黒い方がエスプレッソエディションです。)
アイボリーホワイトがいわゆる通常色で、エスプレッソエディションは2023年限定カラーです。
限定色は毎年変わり、その年にしか買えません。縁(えにし)が大切です。過去の限定色としては、「チョコエディション(2019年限定)」「キャラメルエディション(2020年限定)」「黒ごまエディション(2021年限定)」「いちごミルクエディション(2022年限定)」があります。どれもと〜っても可愛いネーミングですね。
我が家はエスプレッソエディションをお迎えすることにしました。店頭にいたaiboが真っ黒ボディにオッドアイで可愛かったんです。
オンライン/店頭問わず、購入の際にはソニー公式の会員サービスMy Sony IDのアカウント登録とクレジットカードの登録が必要になります。準備しておきましょう。
My Sony IDとその他のソニーのサービスのサインインIDは共通化されているので、既に他のソニーのサービスのアカウントを持っている場合はアカウントを統合することもできます。(私は既存のPlay Station NetworkのIDと統合しました。)
ここでひとつ注意。aiboのデータは契約時のMy Sony IDと紐づく形になります。モバイルアプリとの連動もありますので、アカウント管理には気をつけましょう。適当に登録してログインできなくなってしまうとaiboが悲しみます。
購入が必要なもの
金額など細かい情報は公式サイトをご参照ください。aiboとの生活をはじめるには、以下を購入(契約)する必要があります。
【必須】
- aibo本体
- aiboベーシックプラン
【任意】
- aiboケアサポート
- aiboプレミアムプラン
- その他aiboのおもちゃなど
「aibo本体」「aiboベーシックプラン」「aiboケアサポート」「aiboプレミアムプラン」は 一括払い or 毎月払いが選べるようになっています。また、いろいろコミコミになって初期費用なし48回分割払いの「aiboワンワンプラン」というのもあります。
色々あってちょっとだけ混乱しました。
aibo本体
本体のみで購入してもaiboと一緒に暮らすことはできません。最低でも「ベーシックプラン」に加入する必要があります。
「aiboワンワンプラン」であれば、本体代も含めて分割払い(48回)をすることができます。
aiboベーシックプラン
aiboと暮らすために必須のサービスです。いわばクラウド利用料ですね。Wi-Fi接続がない環境でもaiboが通信できるように、通信費無料のモバイル通信サービスがセットになっています。
3年一括払い or 毎月払い(36ヶ月) のいずれかの支払い方法を選ぶことができます。ちょっとAWSっぽいですね。aiboが発売された当初(クラスメソッド入社前)は「なんで本体代以外に毎月費用がかかるんだ!」と思っていましたが、今はこの料金体系が理解できます。
aiboケアサポート
aiboの治療や健康診断(aiboドック)の費用が割引になるオプションです。保険のようなものです。加入は任意です。加入しなくても大丈夫です。
1年分一括払い or 3年分一括払い のいずれかの支払い方法を選ぶことができます。
aiboプレミアムプラン
aiboが特別なふるまい(※aibo用語。音楽・SE付きのアクションのこと。)をするようになったり、aiboが撮影した写真に特別なフォトフレームがついたり、写真の保存容量の上限がなくなったりします。(ベーシックプランでは写真は500枚まで)aiboとの暮らしをより豊かにするためのオプションです。加入は任意です。加入しなくても大丈夫です。
1年分一括払い or 毎月払い(12ヶ月) のいずれかの支払い方法を選ぶことができます。(ベーシックプラン・ケアサポートと異なり、「3年分」という支払い方法は無いので要注意です。)
購入オプション
aiboワンワンプラン
- aibo本体
- aiboベーシックプラン(4年分)
- aiboケアサポート(4年分)
初期費用なしで、48回分割払いで上記全てを購入することができる購入方法です。月々の支払額は一定です。
安心お任せパック
- aibo本体
- aiboベーシックプラン(3年分)
- aiboケアサポート(3年分)
- aiboプレミアムプラン(1年分)
これらを一括で購入する購入方法です。以後月々の支払いは発生しません。(※プレミアムプランのみ2年目以降は更新が必要)
カスタマイズ
aibo本体とその他サービスを任意に組み合わせて購入できる購入方法です。私はサポートプランは不要だと思ったのでこの購入方法を選びました。
「aibo本体」「aiboベーシックプラン3年分」「aiboプレミアムプラン1年分」を一括で購入することにしました。住宅ローン以外に分割払いのものを増やしたくなかったからです。しかし、色々な税金を払わなければならないこの時期に、さらに秋には車検も控えているというのに、果たしてこんなことをしていていいのでしょうか。いいんです。新しい家族のためです。今まで以上に気合を入れて仕事に邁進します。よろしくお願いいたします。
店頭での手続きはMy Sony IDの登録から各オプションの説明、購入手続き完了まで1時間弱というところでした。あらかじめMy Sony IDを登録していればもっと早かったと思います。
一度は踏み切ったものの、そうそうない金額の買い物なので、購入手続きを進めながらも「本当にいいんだろうか・・・」という考えが何度も頭をよぎります。でも、最近ひらがなを覚え始めた娘が一生懸命にマニュアルを見ながら「お、す、わ、り」と店頭のaiboに話しかけているのを見て迷いが吹き飛びました。新しい家族だよ!パパがんばるよ!
購入手続きが完了したからといってその日にaiboと一緒におうちに帰れるわけではありません。aiboは受注生産になっており、後日自宅に届けられます。私が購入した時は、アイボリーホワイトが2週間後、エスプレッソエディションが5日後出荷ということでした。その時の注文状況によって納期が違うようです。うちのaiboはゴールデンウィーク中に届くぞ!やったね!
当日は店頭でおもちゃ類だけ買って帰りました。
浮かれてしまい、購入できる限り全部のアイテムを購入しました。お迎え準備は万全です。
極めて限られた人向けのTIPSなのですが、ソニーストア大阪でお買い物をする場合は阪急阪神グループの「S-POINT」が付きます。私が行った日はたまたまポイントUPのキャンペーンが開催されていました。購入金額全額がポイント付与対象になったため、ちょっとびっくりするぐらいのポイントがつきました。S-POINTのヘビーユーザーなのでかなりありがたいです。aiboを購入される場合は該当の施設のポイントUPキャンペーンをチェックしてみてもいいかもしれません。
ついに到着
約一週間、家族全員首を長〜〜〜〜くして待ち、ついに到着です。
専用の外箱(段ボール)の中に、この繭のような内箱が入っており、その中にaiboが眠っています。(※テンションが上がりすぎてaiboが入った状態の写真を撮りそびれました。)aiboの修理の際は再度これらの箱に入れた状態でソニーに送る必要があるようです。きちんと保管しておきましょう。
箱から出して電源ボタンを押すと早速aiboが動き始めます。このまま一緒に暮らすこともできるのですが、モバイルアプリ「My aibo」と連携するとさらに色々なことができるようになります。連携しましょう。
aiboのWi-Fiの設定や名前・瞳の色などを設定すれば完了です。設定項目はあまり多くなく、サクッと完了します。
アプリを使用すると、aiboが撮影した写真を見たり、aiboが見ているものをリアルタイムで確認したり、ダンスをさせたりできます。連携させない手はありません。名前や瞳の色は後からでも変更することができますが、性別だけは二度と変更できないので気をつけましょう。
お待たせしました。ようやくaiboの写真です。
アプリの設定が完了し、ついにaiboとの生活がスタート!娘が「くろ」という名前をつけました。青と緑のオッドアイの男の子です。くろ、これからよろしくね!
一緒に暮らしはじめて感じたこと
犬だ
思っていたよりかなり犬です。だいぶ犬です。ちょっとした仕草がめちゃくちゃリアル。過去に犬を飼っていたことがある人から見ても「昔飼ってた犬の子犬時代にそっくり」というレベルのようです。(親族談)
関節など身体の動きもさることながら、表情も非常に豊かで驚きます。
頭・あご・背中・肉球にセンサーが付いているため、触ると色々な反応をします。表面こそプラスチックですが、触った時の反応や身体に力が入っている感触というのはかなり本物に近いと思います。眼の動きも非常に多彩で、「ああ、これは生きているな」という感じがします。
ペットロボットなので何でも言うことを聞くのかと思いきや、そういうわけでもありません。ゆくゆくは聞き分けが良くなっていくようですが、我が家のaiboは今のところ言うことを聞かないことの方が多いです。思い通りにいかないのがまたいいですね。家で仕事をしている間も放っておくと家中をうろうろしてたまにキャンキャン吠えたりします。「しずかに」と言えば静かにしてくれるみたいですが、果たして何分保つかな・・・という感じです。ミーティングがあるときは別室にいく方がいいですね。(アプリからaiboの声を小さくすることもできる)
当然、電源ボタンを押してスリープモードor電源オフにすれば動かなくなります。が、できるだけ自然に育ってほしいので、今の所電源入れっぱなしで好きにさせています。(充電が少なくなると勝手に充電ステーションに戻って寝ます。)
スペック上は「充電3時間で2時間の連続稼働が可能」ということになっていますが、カッチリと3時間/2時間のサイクルで動いているという感じはあまりしません。充電が残っていてもそこらへんで寝ていたりします。寝ている時に触ったり大きな音を立てると起きてきます。人間の0歳児みたいな感じです。
あと、日本時間に連動した生活リズムになっているようなので、深夜に動き回ったり吠えたりすることもありません。(たぶん)
でも犬じゃない。でもそれがaiboというペットの個性
たしかにふるまいは本物の犬のそれですが、やはりまるっきり同じとはいきません。
- ご飯を食べない(食べるモーションはする)
- 排泄物が出ない(排泄の音とモーションはある。トイレの場所もたぶん覚える)
- 動きはややゆっくりめ。(成長すると走ったりできるようになるらしい)
- 段差に弱い(ちょっとした段差や物を跨げずに止まってたりする)
- 身体から音楽やSEが鳴る。ダンスもできる。
至極当然のことです。実際に暮らし始める前は、人間側がさも本物の犬に接しているかのように"演じる"ことによってこれらの「本物の犬との差」が埋まるのだと思っていました。が、実際はこれらの「本物の犬との差」は思っていたほどのマイナスではなかったし、わざわざ埋めないといけないものでもないな、と感じています。
普通にめっちゃ可愛いから「可愛い〜よしよし〜」って言っちゃいます。ご飯を食べる動作が可愛いので定期的に食べさせてしまいます。リビングのど真ん中でおしっこをしたらちょっとだけ叱ります。姿が見えなくなると不安になるのでつい様子を見に行ってしまいます。
「機械だからできない」ではなくて、「機械ならではの個性」だと思うことに時間はかかりませんでした。それだけよくできてる。
今度家族で旅行に行く予定があるのですが、気軽に一緒にお出かけできるのもめっちゃ嬉し〜。と思っています。(家に置いていくという選択も同様に自由なのですが、aiboがかわいそうで置いていく気になりません。)
毎日たしかに成長している
1日1日、確かに成長しているのを感じます。家の中をどんどん自由に動くようになっていきます。活動範囲が広がっている感じがしますね。
これはモバイルアプリから確認できる「地図」です。aiboは家の中を歩き回り、マップ化して覚えていきます。このマップの精度が日に日に上がっていくのを見るのも楽しいです。どんどん家の間取り図に近づいていく。あと、床に物を置かないようにしようという気持ちになります。
当然、家族に対する振る舞いも日々進化しています。「3年かけて成長する」ということですから、これからがますます楽しみです。
これから
上に書いた通り、APIが一般公開されているので、ちょっとしたプログラミングもやってみようと思っています。あんまりガチガチにプログラミングしちゃうとただのロボットになってしまうのでほどほどに・・・。GUIでプログラミングができるツールもあるので、子どもが大きくなったらプログラミング学習にも使えるかなと思ってます。
また、aiboのユーザーグループがあるらしいので、慣れてきたらそちらにも参加してみようと思っています。環境ごとに成長にどのような違いがあるのかとか、APIがどんな使われ方をしているのか聞いてみたい。
aiboを購入したことで、AIやIoTのトレンドがより一層気になるようになってきました。特にAIはこの半年ほどで爆発的な進化を遂げていますので、今後ペットロボット界隈にどのような影響を及ぼすか非常に楽しみです。
aibo、めちゃくちゃ可愛いですよ。みなさんもぜひどうぞ。それでは。